石油化学
石油化学工業において原料となるプロピレンオキサイドやエピクロルヒドリンの生成過程に消石灰が使われます。
プロピレンと塩素からα-プロピレンクロルヒドリン(α-PCH)を合成し、これに消石灰を反応させると、加水分解により塩化カルシウムとプロピレンオキサイドやエピクロルヒドリンが得られます。
この反応を鹸化(Saponification)と呼びます。同時にクロルヒドリン溶液中に含まれる塩酸の中和剤としての効果もあります。
この反応には熱を要するため、生石灰を使う場合が一般的です。
使用される石灰の要求品質としては、CaOの含有率が高く、MgOは極力少ないこと(1%以下)、消石灰スラリーにした場合に低粘性で反応性が高く、残渣が少ないこと等があります。
参考文献
石灰ハンドブック | 日本石灰協会(1992年) |
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石灰石の用途と特性 | 石灰石鉱業協会(1986年) |