公害防止
工場等から排出される酸性廃水を中和するために石灰が利用されています。
同様に酸性泉のような自然現象に起因する酸性河川、あるいは鉱山廃水の中和にも石灰が使われます。
このとき同時に溶解している重金属類を凝集沈殿させる効果もあります。
ごみ焼却場等で排ガス中に含まれる塩化水素(HCl)や硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガスの除去には消石灰が使われます。
火力発電所や製鉄所等の石油や石炭を多量に燃焼させる施設では、排煙中の硫黄酸化物の除去に石灰が使われます。
排煙脱硫装置は湿式と乾式に分けられます。
このうち現在主流となっている湿式法の中でも最も一般的な方法は、吸収剤として石灰スラリーを用い、硫黄分をカルシウムと反応させて石膏として回収する「石灰ー石膏法」です。
硫黄分は石灰スラリーと反応して亜硫酸カルシウム(CaSO3)を生成し、さらに空気によって酸化されて石膏(CaSO4・2H2O)となり、排脱石こうとして再利用されています。
参考文献
石灰ハンドブック | 日本石灰協会(1992年) |
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石灰石の用途と特性 | 石灰石鉱業協会(1986年) |
対応製品
一般製品
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石灰石
工場から排出される酸性排水の中和用として使用されます。
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消石灰(SA149)
工場から排出される酸性排水の中和用として使用されています。
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タンカル(TA074、TA149、TA3G)
火力発電所の排煙脱硫用として使用されます。