紙・パルプ
包装紙等に使うクラフトパルプは木材を苛性ソーダを含む液で煮てつくりますが、この排液から苛性ソーダを回収するために生石灰が使われています。
蒸解処理工程から発生した液を黒液と称して燃焼処理をした後、水に溶解させると炭酸ソーダを主成分とする緑液が得られます。
この緑液に生石灰を混合するとナトリウムとカルシウムが交換して苛性ソーダ溶液と炭酸カルシウムの混合スラリーとなり、ここから固形の炭酸カルシウムを分離することによって苛性ソーダを回収します。
Na2CO3+CaO+H2O
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CaCO3+2NaOH
また、多くのパルプ工場でパルプの漂白剤として次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)が使用されており、その原料にも石灰が使われています。
参考文献
石灰ハンドブック | 日本石灰協会(1992年) |
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石灰石の用途と特性 | 石灰石鉱業協会(1986年) |